【下田市】みなみと歩く 黒船の街・下田⑤|寝姿山、港を見下ろして/開国の街まとめ
観光・レジャー 📍 下田市 📅 2026年6月21日 00:29

【下田市】みなみと歩く 黒船の街・下田⑤|寝姿山、港を見下ろして/開国の街まとめ

地元の歴史にやたら詳しいシモダじいさんと一緒に、下田の開国の舞台を歩いてきた連載「みなみと歩く 黒船の街・下田」。いよいよ最終回です。しめくくりの舞台は、街と港を一望できる「寝姿山(ねすがたやま)」

下田ロープウェイで山頂へ登り、これまで歩いた開国の街を上から見渡しながら、5回の旅をふり返ります。テーマは「黒船が見えた山から、開国の街・下田をふり返る」です。

黒船が見えた山から、街を見下ろす

みなみ じいさん、ついに最終回ですね! 今日はロープウェイで、一気に山の上へ。
シモダじいさん 寝姿山だ。ここからは、下田の港がぜんぶ見渡せる。ペリーの黒船が入ってきた、あの海もな。
みなみ わぁ…! 海も島も、街並みも、ぜんぶ見える…! あのあたりが、歩いてきたペリーロードかな。
シモダじいさん そうだ。しかもな、ここはただの展望台じゃない。江戸時代、黒船を見張るための「見張所」が置かれた場所なんだよ。
みなみ 見張所!? ここから見張ってたんですか?
シモダじいさん 嘉永2年——1849年——イギリスの測量船が下田に来たとき、幕府は寝姿山の山頂に見張所を構えてな、下田奉行所の役人が昼も夜も黒船を見張ったんだ。今は当時を再現した見張所もあって、役人の人形や大砲が置かれている。
みなみ この高さから、本物の黒船を見張ってたんですね…。まさに海防の最前線だ。
シモダじいさん そういうことだ。そしてこの山には、縁結びで知られる「愛染堂(あいぜんどう)」もある。かつて海を見張った山が、今は恋を願う山にもなっているんだよ。
みなみ 見張りから、縁結びへ…! 平和になった証拠ですね(笑)
シモダじいさん ふぉっふぉ、違いない。
みなみ それにしても、いい眺め…! お天気がいいと、もっと遠くまで見えるんですか?
シモダじいさん ああ。晴れた日には伊豆七島まで見渡せる。山頂は遊歩道や庭園が整っていて、季節の花も楽しめる。歴史を学んで、景色で癒される——なかなか欲張りな山なんだよ。さて——ここまで5回、一緒に歩いてきたな。どうだった?
みなみ 最初は「開国といえば横浜」だと思ってたんです。でも、ぜんぶ下田から始まってたんですよね。了仙寺でペリーの条約、玉泉寺でハリスの暮らし、ペリーロードで港町の記憶、宝福寺で龍馬とお吉…。
シモダじいさん よく覚えたな。バラバラの点だった史跡が、こうして一本の線につながっただろう。下田は「日本が世界とはじめて握手した港町」だ。その物語は、教科書を読むだけじゃなく、こうして街を歩いて初めて、立ちあがってくるんだよ。
みなみ わたし、すっかり下田が好きになりました。この景色を見てたら、また最初から歩きたくなっちゃいます。みなさんも、ぜひ自分の足で歩いてみてください!

寝姿山とは|黒船を見張った展望の山

寝姿山は、下田の市街地を見下ろす標高約200メートルの山です。伊豆急下田駅のすぐそばから下田ロープウェイで山頂へ登ると(所要約3分30秒)、下田港はもちろん、須崎半島や伊豆七島、太平洋までを見渡すパノラマが広がります。山頂は遊歩道が整備され、四季の花や眺望を楽しみながら散策できます。

黒船見張所|海防の最前線

寝姿山の山頂は、幕末に黒船の見張所が置かれた場所でもあります。嘉永2年(1849年)、イギリスの測量船マリナー号が来航した際、江戸幕府は寝姿山に見張所を設け、下田奉行所の役人を派遣して昼夜を問わず外国船を監視させました。現在は当時のようすを再現した見張所があり、役人の人形や大砲のレプリカが置かれています。海から来る「異国」と、この国が最初に向き合った緊張の現場です。

愛染堂|縁結びの山

山頂には、愛染明王をまつる「愛染堂」があり、縁結び・恋愛成就のスポットとして親しまれています。かつて黒船を見張った山が、今は良縁を願う人びとが訪れる場所になっているのも、平和な時代ならではの風景です。

寝姿山・下田ロープウェイのアクセス・利用メモ

  • 住所:静岡県下田市東本郷1-3-2(下田ロープウェイ乗り場)
  • アクセス:伊豆急下田駅から徒歩約1分の乗り場から、山頂まで約3分30秒
  • 料金:ロープウェイ往復 大人1,500円・小人750円
  • 運行時間:季節により8:45〜17:00頃(時季で変動)
  • 駐車場:無料(35台・乗り場正面)
  • ※最新の料金・運行時間は公式サイトで確認を

連載まとめ|みなみと歩いた「黒船の街・下田」

全5回の旅をふり返ると、下田に開国の物語が密集しているのが偶然ではないと分かります。江戸へ向かう船の風待ち港として栄え、下田奉行が置かれたこの港町は、開国にあたって真っ先に「外」と向き合う最前線になりました。だからこそ、ペリーもハリスも、龍馬もお吉も、そして見張所の役人たちも、この街に足跡を残したのです。立場も生き方もちがう彼らは、みな同じ「開国」という大きな波のなかにいました。その足跡をひとつひとつ訪ねると、教科書の一行だった出来事が、ぐっと身近な人間のドラマになって立ちあがってきます。下田を歩けば、その物語が地続きで感じられるはずです。

▶ 連載の全体像をまとめた 開国の街・下田の歴史まとめ も、あわせてどうぞ。

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この記事を書いたライター

みなみ
みなみ 観光・アウトドア担当

伊豆の海とアウトドアが大好きなライター。ヒリゾ浜から弓ヶ浜まで、透明度・波高・混雑度を毎回確認した上で、「今行く価値があるか」を正直に伝えます。

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