【下田市】みなみと歩く 黒船の街・下田③|ペリーロード、なぜ川沿いに異国情緒の石畳があるのか
観光・レジャー 📍 下田市 📅 2026年6月19日 00:16

【下田市】みなみと歩く 黒船の街・下田③|ペリーロード、なぜ川沿いに異国情緒の石畳があるのか

地元の歴史にやたら詳しいシモダじいさんと一緒に、下田の開国の舞台を歩く連載「みなみと歩く 黒船の街・下田」。第3回の舞台は、川沿いに石畳が続く人気の散歩道「ペリーロード」です。

これまでの了仙寺(ペリー)と玉泉寺(ハリス)は“人物”の舞台でした。今回の主役は「道」そのもの。テーマは「なぜ下田の川沿いに、こんな異国情緒の石畳があるの?」です。

この石畳、ペリーが歩いた道だった

みなみ じいさん、この川沿いの石畳、すごくレトロでおしゃれ…! ガス灯まである。なんで下田に、こんな異国情緒たっぷりの道があるんですか?
シモダじいさん ここが「ペリーロード」だ。名前のとおり、ペリーが歩いた道なんだよ。
みなみ ペリーが、この道を歩いた!?
シモダじいさん そうだ。下田条約を結ぶために、ペリー一行は了仙寺へ向かって、この道を何度も行進した。最初の会見の日には、祝砲を鳴らし、大砲を先頭に曳いて、軍楽隊の演奏とともに、銃を持った水兵をずらりと率いて練り歩いたと伝わっている。
みなみ この静かな川沿いを、軍楽隊が…! 想像すると、ものすごい光景ですね。
シモダじいさん だろう。その行進した参道が、いつしか「ペリーロード」と呼ばれるようになった。そして終点が、第1回で歩いた了仙寺だ。点と点が、こうしてつながっていく。
みなみ じゃあ、この古い建物や白黒の壁も、その時代のものなんですか?
シモダじいさん あれは「なまこ壁」っていってな、伊豆石やなまこ壁の家、柳並木…江戸末期から大正にかけての建物が多いんだ。実はこのあたり、昔は料亭が並ぶ賑やかな一帯でな。「出船入船三千隻」とうたわれた港町の名残だよ。
みなみ でも、どうして下田はそんなに栄えてたんですか? 伊豆の南の端っこなのに。
シモダじいさん 下田はな、江戸へ向かう船が風や潮を待つ「風待ち港」として栄えたんだ。船が集まれば、人も集まる。だから幕府は下田奉行を置いて、港をしっかり見張っていた。ペリーが最初の開港地に下田を選んだのも、もともと外と内をつなぐ要の港だったからこそ、なんだよ。
みなみ なるほど…! もともと“開いていた”港だったんですね。かつての賑わいが、今はおしゃれなカフェに…。時代が何層も重なってます。
シモダじいさん そういうことだ。今は古い建物を活かしたカフェや雑貨店が点在している。歴史を歩いて、ひと休みもできる。そうだ、できれば夕方にもう一度ここへ来てみろ。
みなみ 夕方? なにかあるんですか?
シモダじいさん ガス灯が灯る。昼間とはまるで違う、幻想的な顔になるんだ。同じ道でも、時間で表情が変わる。それがペリーロードのいいところでな。
みなみ 歴史を歩きながら、カフェでひと休みもできて、夕方は幻想的…。ぜんぶ詰まってますね!
シモダじいさん この道を歩くだけで、開国のドラマと、港町の暮らしが地続きで感じられる。さて、次はこのすぐ近く、もう一つのドラマの舞台へ行くぞ。
みなみ もう一つのドラマ…! 気になります。

ペリーロードとは|ペリーが了仙寺へ行進した道

ペリーロードは、平滑川(ひらなめがわ)沿いに続く石畳の小道です。幕末、黒船で来航したペリー提督一行が、了仙寺での下田条約締結のために行進した道にちなんで、この名で呼ばれています。下田市によると石畳の総延長は約500メートル。道をたどっていくと、第1回で訪れた了仙寺にたどり着きます。

石畳・石欄干・ガス灯|夕刻の幻想

古い建物との調和をつくり出しているのが、石畳・石欄干・ガス灯です。とくに夕刻からのペリーロードは、ガス灯の独特のあかりによって、昼間とは少し異なる幻想的な光景が広がります。日中のレトロ散歩と、夕暮れの灯り——同じ道で二つの表情を楽しめます。

なまこ壁と柳並木|港町の面影

道沿いには、伊豆石やなまこ壁の家並み、柳並木が独特の風情を醸し出し、江戸末期から大正時代の建物が多く残ります。「なまこ壁」は、壁に平瓦を並べ、その目地に漆喰を盛り上げて塗る伝統的な工法で、盛り上がった目地が海鼠(なまこ)に似ていることからこの名がつきました。かつて賑わった港町・下田の歴史が、街並みそのものに刻まれています。

出船入船三千隻|風待ち港・下田のにぎわい

下田は古くから、江戸へ向かう船が風や潮を待つ「風待ち港」として栄えてきました。多くの船と人が行き交い、「出船入船三千隻」とうたわれたほどです。江戸幕府は要衝として下田奉行を置き、港を管理していました。外と内をつなぐ港町だったからこそ、ペリーは日本最初の開港地のひとつに下田を選んだともいえます。ペリーロード沿いのにぎわいは、その港町の歴史の延長線上にあるのです。

古民家カフェでひと休み

現在のペリーロードには、歴史ある建物を活かしたカフェ・雑貨店・ギャラリーが点在しています。歴史散策のあいまに立ち寄って、レトロな空気のなかでひと息つけるのも、この道ならではの楽しみ方です。

ペリーロードへのアクセス・散策メモ

  • 場所:静岡県下田市(了仙寺周辺、平滑川沿い)
  • アクセス:伊豆急下田駅から徒歩約15分
  • 駐車場:専用駐車場はなし。周辺の市営・民間コインパーキングを利用
  • 散策の目安:石畳は約500m。第1回の了仙寺とあわせて歩くのがおすすめ。夕刻はガス灯の灯りも
  • ※各店舗の営業時間・定休は店ごとに異なります。最新情報は各店の公式で確認を

次回予告

第4回は、ペリーロードからほど近い「宝福寺」へ。悲劇の女性・唐人お吉と、坂本龍馬の脱藩が許された日の物語をたどります。(近日公開)

▶ 連載の全体像は 開国の街・下田の歴史まとめ から。【第1回・了仙寺】/【第2回・玉泉寺】もどうぞ。

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この記事を書いたライター

みなみ
みなみ 観光・アウトドア担当

伊豆の海とアウトドアが大好きなライター。ヒリゾ浜から弓ヶ浜まで、透明度・波高・混雑度を毎回確認した上で、「今行く価値があるか」を正直に伝えます。

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