地元の歴史にやたら詳しいシモダじいさんと一緒に、下田の開国の舞台を歩く連載「みなみと歩く 黒船の街・下田」。第3回の舞台は、川沿いに石畳が続く人気の散歩道「ペリーロード」です。
これまでの了仙寺(ペリー)と玉泉寺(ハリス)は“人物”の舞台でした。今回の主役は「道」そのもの。テーマは「なぜ下田の川沿いに、こんな異国情緒の石畳があるの?」です。
この石畳、ペリーが歩いた道だった
ペリーロードとは|ペリーが了仙寺へ行進した道
ペリーロードは、平滑川(ひらなめがわ)沿いに続く石畳の小道です。幕末、黒船で来航したペリー提督一行が、了仙寺での下田条約締結のために行進した道にちなんで、この名で呼ばれています。下田市によると石畳の総延長は約500メートル。道をたどっていくと、第1回で訪れた了仙寺にたどり着きます。
石畳・石欄干・ガス灯|夕刻の幻想
古い建物との調和をつくり出しているのが、石畳・石欄干・ガス灯です。とくに夕刻からのペリーロードは、ガス灯の独特のあかりによって、昼間とは少し異なる幻想的な光景が広がります。日中のレトロ散歩と、夕暮れの灯り——同じ道で二つの表情を楽しめます。
なまこ壁と柳並木|港町の面影
道沿いには、伊豆石やなまこ壁の家並み、柳並木が独特の風情を醸し出し、江戸末期から大正時代の建物が多く残ります。「なまこ壁」は、壁に平瓦を並べ、その目地に漆喰を盛り上げて塗る伝統的な工法で、盛り上がった目地が海鼠(なまこ)に似ていることからこの名がつきました。かつて賑わった港町・下田の歴史が、街並みそのものに刻まれています。
出船入船三千隻|風待ち港・下田のにぎわい
下田は古くから、江戸へ向かう船が風や潮を待つ「風待ち港」として栄えてきました。多くの船と人が行き交い、「出船入船三千隻」とうたわれたほどです。江戸幕府は要衝として下田奉行を置き、港を管理していました。外と内をつなぐ港町だったからこそ、ペリーは日本最初の開港地のひとつに下田を選んだともいえます。ペリーロード沿いのにぎわいは、その港町の歴史の延長線上にあるのです。
古民家カフェでひと休み
現在のペリーロードには、歴史ある建物を活かしたカフェ・雑貨店・ギャラリーが点在しています。歴史散策のあいまに立ち寄って、レトロな空気のなかでひと息つけるのも、この道ならではの楽しみ方です。
ペリーロードへのアクセス・散策メモ
- 場所:静岡県下田市(了仙寺周辺、平滑川沿い)
- アクセス:伊豆急下田駅から徒歩約15分
- 駐車場:専用駐車場はなし。周辺の市営・民間コインパーキングを利用
- 散策の目安:石畳は約500m。第1回の了仙寺とあわせて歩くのがおすすめ。夕刻はガス灯の灯りも
- ※各店舗の営業時間・定休は店ごとに異なります。最新情報は各店の公式で確認を
次回予告
第4回は、ペリーロードからほど近い「宝福寺」へ。悲劇の女性・唐人お吉と、坂本龍馬の脱藩が許された日の物語をたどります。(近日公開)
▶ 連載の全体像は 開国の街・下田の歴史まとめ から。【第1回・了仙寺】/【第2回・玉泉寺】もどうぞ。